自分は弁理士試験の勉強を開始してから10年以上が経過している、所謂ベテラン受験生です。少し言い訳になりますが、この10年の間にずっと必死になって勉強していたわけではなくて、始めの5年ぐらいはあまり勉強していませんでした。願書を提出したのに試験をぶっちした年なんかもあります(汗)。始めの頃は、この業界で生きていくかを悩んでいたんです。人生の迷い人でした。なので、本気で試験勉強に取り組んでいるのは、ここ5年ぐらいです。それでも勉強期間が長くなってきました。
やはり早期合格したいところではありますが、ベテラン受験生ならではのメリットもあると思います。こんなメリットを言っている人はあまりいないと思うので、今日はそれを書いてみます。
1、条文の定着度が段違いです。やはり長年勉強している分、条文が母国語並みに定着します。これは、定着がいまいちな人と比べると、資格を取った後に歴然と差がでてくると思います。それでは何故、最終合格できないのか?これはもう縁がなかったとしか言いようがありません。
2,次は、弁理士から丁寧に指導してもらえることを挙げます。どういうことかと言うと、弁理士になると、基本は一人で仕事ができるし、願書に担当弁理士として名前も記載されます(弁理士法人の場合は別ですが)。つまり、一人前の代理人として扱われます。事務所によっては、弁理士の場合、きちんと指導せずに放置するところもあると思います。勿論、きちんと指導する事務所も多数だとは思いますが。一方、資格がない場合、公には、その人を担当する弁理士の仕事になるので、きちんと指導しない事務所でも丁寧に指導してもらえるかもしれません。
3,人間として成長する。これは個人的な見解です。人間はどうやったら人として成長するのでしょうか?自分が思うに、喜怒哀楽の感情を受けることで成長するのではないでしょうか。特に、落差が大きいような喜怒哀楽を感じたときに、大きく成長するように思います。色々チャレンジして成功と挫折を数多く経験している人はとても魅力的だし、話が面白いですよね。でも、日々淡々と生活していると、中々大きな喜怒哀楽を感じることはできないです。この点、長年弁理士試験の勉強をしていると、喜怒哀楽を感じることができます。自分はかなり壮絶な受験体験をしています。特に、2回目の口述試験落ちでは、深い「哀」しみに浸りました。この経験から、人生というのは「縁」であるという気づきを得ることができました。今後生きていく上でとても大事なことを学びました。自分としては、この3番目のメリットが一番大きいです。
4,子供に頑張っている姿を見せることができる。これは、子供がいる人限定にはなりますが、これもメリットではないかと思います。子供には躾をするのではなく、親の背中を見せるべきだというのが自分の持論です。親は子供のために一生懸命仕事をしていますが、その仕事姿を子供に見せることは、自営業とかでなければ中々できません。一方、試験勉強をしている姿を子供に見せることはできます。諦めずに長年勉強している姿を子供に見せることは、子供に良い影響を与えると、自分は信じています。